恋愛・生殖

「髪を染める、タバコを吸う」が”強いオス”をシグナリングする理由ーーハンディキャップ原理

チャラい男が髪を染め、派手な服に身を染めて渋谷に繰り出していく。

進化の文脈では、ハンディキャップ原理(または仮説または理論)を用いて説明するのが今のところ定説になっている。

ハンディキャップ原理ーー生存・生殖にとって不利な(非適応的な)形質を敢えて示すことで、生存・生殖的な優秀さを示しているとする理論

以下では、特に異性獲得への利用を紹介する。つまり遺伝子の優秀さを誇示する例の紹介になる。

代表的な例ではクジャクがある。クジャクのオスは、色彩に富んだ巨大な尾羽を備える。この尾羽は闘争において武器になるとか、走るのが早くなるわけではない。

ただの飾りである。しかも重い。敵に見つかりやすくなるし、走りづらくなる。派手で大きい尾羽を持つ個体ほど多大なハンディを背負って生きなければならない。

であるならば「そのような大きなハンディを背負っているのにも関わらず生きている→知能やなんかしらの技術に優れている」という理論でメスからの人気を獲得する。

では人間のオスはどうであろうか。

髪を染め、派手な服を着飾って街に出る。治安の良くない街ではヤクザとかそういう文脈の人々がごろごろしている。わざわざ目を付けられやすい恰好をしているのは、闘争になることを辞さない自信に満ち溢れているからだ、とメスは判断する。

中学高校のころ、酒を飲みだしたりたばこを吸いだす不良がいたのを覚えているだろうか。これもまたハンディキャップ仮説で説明できる可能性がある。 「体に害のある毒物を摂取してもなお元気」という意味で身体の強さを示していると説明ができるからだ。

さらに言えば、非行をして教師だの親だのといった立場が強いオスに対して戦える・反抗する能力があることを見せつけているとも言える。このような個体はメスを獲得しやすくなる=モテる

一方で、ガリ勉・キモオタは親教師の言うことを聞いて服従の態度を見せる。思い出してほしい。彼らはメスを獲得していただろうか?