恋愛・生殖

パートナーがいる女は、妊娠可能性が高まる時期に浮気しやすい

長期的な男性パートナーのいる女性は、妊娠可能性が高まる時期になるほどにパートナー以外の男性とセックスする頻度が高くなる。また、長期的なパートナーとのセックス頻度は生理周期を通じて変わらないか、むしろ妊娠可能性が「低い」時期にやや増大する傾向がある。Gangestad,Thornhill&Garver 2002

ヒト女性の高テストステロン男への好みは、女性がすでに長期的なパートナーを確保している場合、もしくは短期的な性的関係を多く持っているような異性(プレイボーイ)を求めている場合において、強くなる。Little, Johns & DeBruine(2008)

ヒト女性に男性の声の魅力度を評価させると、妊娠可能性が高い時期にはとくに低くて男性的な声を好むが、それはステディなパートナーとしての魅力を評価させるよりも、短期的な性的関係を結ぶ相手としてのセクシーさを評価させる条件において顕著である。*D.Puts(2005) *D.Feinberg et al(2006)

1分間のビデオクリップに登場する男性を女性に見せた場合も、目立つそぶりを見せる男性や、ほかの男性に対する競争力を誇示するような男性が好まれやすいのは、短期的なセックスパートナーとして欲する文脈においてであり、女性の妊娠可能性が高い時期においてだった。*Gangestad,Simpson,et al(2004)

おまけ専門用語:クルーニー効果(Clooney’s Effect)

──「スーザンと双子の男の実験」を行ったクリスティーナ・ドゥランテは、排卵期の女性(=妊娠可能状態の女性)がみな、いわゆる「モテる男」というものに対してそうじゃない時よりもはるかに性的に惹きつけられやすくなるという傾向を指し、こう呼ぶ。

──”クルーニー”とはもちろん、映画「オーシャンズ」シリーズ主演等を務めた俳優ジョージ・クルーニーのことであり、彼はいわゆる「女たらし」「軽薄」「ヤリチン」、また歳をとってからは「ダンディ」「セクシー」「男の色気」などの形容詞で表現されるキャラクターを多く演じていることで有名だ。

ドゥランテによると、排卵期の女性たちは平常時の好みや思考・発言とは異なり、(ふだんは”サイテー”扱いしているはずの)「クルーニー男」を巡って、無意識のうちに潜在的な”誘惑競争”を繰り広げている。