恋愛・生殖

女性は「抱かれたい男」にだけ、”内緒のメッセージ”を伝えることができるように進化した

”隠された排卵期”(Hidden Ovulution) ───進化心理学者ジェフリー・ミラーが主張する、ヒトのメスが妊娠可能なサインを示さないように(発情期をオスの目から隠し、またその意識的な自覚もほぼないように)進化した理由。

この事についてある説では、メスはあえて”排卵期を隠す”ことでオスに”気をもませる”ように進化したとされ、別の説では排卵期を隠すことでメスはオスに”一夫一妻でつねに自分に寄り添わせるように仕向けた”とされているが、ミラーは「排卵期を隠す」ことではなく、「特定のオスだけに自分が排卵期である ことを知らせ、その他のオスには絶対に分からなくさせる」ことがメスの戦略のキモだと主張する。

– ミラーが行った有名なストリップダンサーのチップ獲得実験 (G.Miller 2009) では、排卵期の女性はそうじゃない女性よりも自らの魅力を男性に伝えることが明らかにうまく、また男性もそのアピールに多く魅了されたという結果が示されていた。

しかし、女性側からアピールを受けない限り、ヒトの男性は誰が排卵期かを見抜くことはけっしてできない(たとえ彼氏や夫にでさえ、女性はそうしたければ、それ〈排卵期〉を隠すことができる)。

– :つまりヒトの女性は「抱かれたい男」にだけ、”内緒のメッセージ”を伝えることができるように進化したのだ。──そしてそのメッセージが送られる相手は、「たくさんの女にモテるタイプ」の男であることが多い(スーザンと双子の男の実験 by クリスティーナ・ドゥランテ / K.durante 2009)。