恋愛・生殖

化粧によってメスとしての魅力が高まる効果ーーデミ・ムーア=アシュトン・カッチャー効果

──クリスティーナ・ドゥランテによる命名。ヒトの女性は、化粧品や美容品などのハイテク武器を操ることで「まだ自分は若くて生殖能力がある」と男性の「脳」を欺くことができる(という生物学界でもかなり特異な現象を指したもの)。

:かつてハリウッド界で15歳差の年の差婚(当時:女優デミ=ムーア42歳、俳優アシュトン=カッチャー27歳)として騒がれたが、デミは不妊に悩み、またカッチャーは若い女に浮気したことで二人は2013年に離婚した(カッチャーは現在、年下の女優と結婚し、二児のパパになっている)。

──ドゥランテによれば、この効果のおかげでヒトの女性には「卵巣の生殖能力を高く見せたい(若く見せる手がかりをコピーしたい)」という欲求が備わることとなり、それが世の中の巨大な化粧品産業や、美容産業の原動力になっているという

これは動物界ではかなり特殊なふるまいである。というのも一般的にメスというのは、自らの生殖能力を誇示する必要がない。「メスがモテるオスに群がり、モテるオスは集まったメス全てに精子を与える」という一夫多妻の生殖システムが動物界の大多数を占めるからである。このシステムの場合、オスが求めるのは単に「メスの数」であったから、選り好みせず可能な限りたくさん精子をばらまけばよい。つまり、メスは自身の生殖能力をアピールする必要はない。

「クジャク 雌雄」の画像検索結果
クジャクのオスは尾羽の美しさを持って生殖能力の優秀さをアピールする。一方でメスの尾羽は小さく一様に茶色の体をしている。

ホモサピエンス=人間がとっているのは一夫一妻である(表面上は、だが)。オスは「メスの質」を求めるようになり、メスは自身の生殖能力の優秀さを示す必要が生じた。

どうして一夫一妻になったかは↓の記事を読んでほしい。さらに詳しい経緯を説明する。

女性がインスタに夢中になる理由を進化心理学から考察する 雑に言うと、「自分が人気のメスであると、優秀なオスに思わせることで彼らの精子をもらう」ためである。この文章で納得がいかなかった人は↓を...