その他心理

『意識は傍観者である』

David Eagleman『意識は傍観者である』現代:”Incognito: The Secret Lives of the Brain

「脳は”国家”であり、意識はそこで発行される新聞のようなものだ。あなたが心の中の大見出しを読む頃には重要なアクションはすでにほとんど起こっていて、取引はもう成立している」

「──あなたがアクセスできる舞台裏の事情は驚くほど少ない。すべての政治運動は土台から積み重ねられていて、あなたが感情や直感や考えとしてその気配を感じる前に、止められなくなっている。情報を最後に聞くのはあなただ」

「しかし、あなたには新聞読者にしては妙なところがある。見出しを読んで、最初に思いついたのは自分であるかのように、その考えを自分の手柄にするのだ。あなたは大はしゃぎで言う、『いいことを考えついた!』。しかし、実際にはあなたに閃きの瞬間が訪れる前に、脳が膨大な量の仕事をやっていた」

「──あなたが”思考”を自分の手柄だと考えることを、誰が責められよう。脳は密かに企みを実行し、あなたを常日頃からゾンビ化し、またものすごい魔法のようにアイデアを呼び起こす。意識的な認知力が壮大なオペレーティングシステムを探ることを許さない。脳は身分を隠してあなたを仕切っているのだ」